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2012-01-14 納税者が税務訴訟に勝てない原因

_ 先日、黒木貞彦先生の『税務訴訟制度が壊れている』というセミナーを受けてきまして、なかなか興味深いお話を聞くことが出来ました。

_ 税務訴訟の納税者側の勝率は1割程度、ということなのですが、その原因は当該訴訟に携わっている関係者(弁護士や裁判官)が《税法を知らない。税法を読めない。》ということに大きな原因があるようです。

_ 最も問題なのが、判断をしなければならない裁判官自体が基本的な税法用語すら知らずに判決を書いているという、現状。

黒木先生が関わった税務訴訟では、担当の裁判官が《不動産所得》の意味すら知らなかったそうで、『野球のルールを知らない人が野球の審判をやっているような状態』と仰っていました…

_ どうやら、いくらこちらの訴えたいことを準備書面にしたためても、裁判官にはそれを理解して貰えないようです。

_ 個人的に税務訴訟の分野には興味があるので、これから色々と勉強していこうと思っているのですが、税務訴訟の現状がそんなものだとすると、こちらが勉強するとかしないとか、それ以前の問題のような気がしますね。

_ 私も学生時代はずっと司法試験の勉強をしていました(実るレベルには達しませんでしたが)ので分かりますが、例えば民法や商法を知っているからといって、税法の理解には全くつながなりません。

 税法も《法律》ではありますが、独自の理論・体型で作られていますから、税法を扱うには、やはり、それ専門に勉強しないと無理ですね。

_ 黒木先生によると、

_ 1、裁判官は税法の知識がないので、正当な判断ができない

 ↓

_ 2、内容が理解できないので、同じ官僚仲間(国側の訴訟担当者)の主張を丸呑み

_ という流れで、納税者に不利な判決となってしまうことでした。

_ 結局、今は制度的に税務訴訟をやっても《不利》なので、我々税理士としては、訴訟にならないように決着をつけなければならない、と、そういうことになりますかね。

_


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