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2012-09-03 夕暮れ時のバス停

_ ──ある地方都市

_ 久しぶりに、バスに乗りました。

_ バスの乗り方というのは、とても難しい。何故なら、《止まります》のボタンを、いつ、誰が、どのタイミングで押すか、そんな闘いが繰り広げられる世界。自分が押そうと思って手を伸ばした瞬間に、斜め前にいた人に押されて、手のやり場に困る、そんな経験、誰もがしていることではないでしょうか。

_ しかも、その先に押した人がこちらを振り向いて「ニヤリ」と不敵な笑みを浮かべるもんだから、たまったもんじゃないね。今日のところは大人しく、私も負けを認めよう。

_ さて、そんなこんなでバスを降りて雨の中を歩き始めると、雨宿りをしている一人の若い女性が目に入ってきたのです。近くに傘が買えそうなお店も無いし途方に暮れている様子。こういうときは、紳士として、助けてあげなければなりませんな。

_ 「カサ、無いんですか?」

_ 「ええ」

_ 「それでは、ご一緒にどうぞ」

_ 「え?よろしいのでしょうか?」

_ 「勿論です」

_ そうして私たち二人は、雑踏の中に消えていった・・・

_ と、めぞん一刻の五代くんバリの妄想に駆られながら横断歩道を渡っていると、危うくオバサンの運転する軽自動車に撥ねられるところでした。こうやって、歩行者の事なんて全く見ないで左折してくる車がいますから、歩行者側の信号が青だからといって油断は禁物です。

_ 私のように、例え妄想をしている最中であっても、常にある一定の神経が働き、危険を察知できる能力が備わっている人間だからこそ、今回の危機を回避できたわけですが、普通の人では惨事は免れなかったでしょう。また一つ、私のサバイバル能力の高さが証明されてしまいました。

_ ところでサバイバルといえば、先日『SAS都市型サバイバル』という本を読破しました。著者はイギリス陸軍の特殊部隊SASに所属し数々の軍事作戦に従事してきたジョン・ワイズマン氏。サバイバル指導教官であった氏により、テロ対策、防犯から災害対策、応急処置、護身術といった究極の生存術が多数の図版を交えて解説されており、サバイバリストにとっては是非読んでおきたい一冊。

_ 著者はこの本の中で「兵士として過ごした27年間、私は家に帰ってリラックスするのが楽しみだった。家は安全だと思っていたが、とんだ間違いだった。ある時、4ヶ月の激戦から無傷で帰還した。ところが家に帰って2分もしないうちに、台所で立ち上がった拍子に戸棚に頭をぶつけて深い切り傷を負ってしまったのである。」

_ と述べています。SASに所属していた歴戦の猛者が家の台所でアタマをぶけて怪我をしちゃったなんて、プププッ、などと笑っちゃぁいけませんよ。私は笑いましたが。

_ 戦場は危険だが家は安全、そんなことは幻想なのです。人はどこにいても、常に危険にさらされている。

_ つなり何が言いたいかというと、もし、私がその女性に声をかけたら、

_ 「カサ、無いんですか?」

_ 「・・・? え、ええっ?」

_ 「それじゃ、ご一緒にどう…」

_ 「おまわりさーん!ヘンな人がー!!」

_ ってなるに決まってるぢゃないですか、ってこと。

_ さて、お次は米国陸軍省編『米陸軍サバイバル全書』でも読み込むことにいたしますかね。


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