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2012-09-28
リース取引と圧縮記帳
今日、あるクライアントのもとへお伺いしたときに、そこの担当者から「リースで購入した資産については圧縮記帳ができないのか?」と質問を受けました。
詳しくお話を訊いてみると、所有権移転外リース取引で車輌を購入し、エコカー補助金が出たので、それについての圧縮記帳を検討されているとのこと。
どうやら、国税庁のタックスアンサーを見てそのような質問をしてきたようなのですが、確かに
http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5704.htm
を読むと、真ん中から下あたりに『このリース資産については、次のような制度は適用がありません。』と記載されていて、そこには《圧縮記帳》が挙げられていますので、このページだけをサラッと読んでしまうと、そのように思ってしまうのかもしれませんね。
さて、税法を扱うときは、きちんと条文を確認いたしましょう、ということになるわけですが、タックスアンサーにおいても、その回答について根拠条文が示されています。
例えば上記のタックスアンサーでは《圧縮記帳》のところに、《法法47、措法65の7等》と書かれていますので、試しに法人税法第47条を見てみると・・・
内国法人(清算中のものを除く。以下この条において同じ。)が、各事業年度においてその有する固定資産(当該内国法人を合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人(第8項において「合併法人等」という。)とする適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配(以下この項及び第8項において「適格組織再編成」という。)が行われている場合には、当該適格組織再編成に係る被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人(第8項において「被合併法人等」という。)の有していたものを含む。以下この条において「所有固定資産」という。)の滅失又は損壊により保険金、共済金又は損害賠償金で政令で定めるもの(以下第49条までにおいて「保険金等」という。)の支払を受け、当該事業年度においてその保険金等をもつてその滅失をした所有固定資産に代替する同一種類の固定資産(以下この条において、「代替資産」という。)の取得(第64条の2第3項(リース取引に係る所得の金額の計算)に規定する
リース取引のうち所有権が移転しないものとして政令で定めるものによる取得を除く
。以下この項及び第5項において同じ。)をし、又はその損壊をした所有固定資産若しくは代替資産となるべき資産の改良をした場合において、これらの固定資産につき、その取得又は改良に充てた保険金等に係る差益金の額として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を当該事業年度の確定した決算において積立金として積み立てる方法(政令で定める方法を含む。)により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
と規定されています。
これは、いわゆる《保険差益の圧縮記帳》と呼ばれる規定ですが、条文中の
赤字
にした部分をご覧いただければお分かりの通り、ここでは所有権移転外リース取引による取得について、保険差益の圧縮記帳の適用は無い旨が規定されているわけです。
それでは、今回の質問については、どうなのでしょうか?
今回はエコカー補助金ですので、いわゆる《国庫補助金等の圧縮記帳》の適用の可否について判断する必要があります。
これは法人税法第42条で規定されていますので、同じように見てみると・・・
内国法人(清算中のものを除く。以下この条において同じ。)が、各事業年度において固定資産の取得又は改良に充てるための国又は地方公共団体の補助金又は給付金その他政令で定めるこれらに準ずるもの(第44条までにおいて「国庫補助金等」という。)の交付を受け、当該事業年度においてその国庫補助金等をもつてその交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良をした場合(その国庫補助金等の返還を要しないことが当該事業年度終了の時までに確定した場合に限る。)において、その固定資産につき、その取得又は改良に充てた国庫補助金等の額に相当する金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を当該事業年度の確定した決算において積立金として積み立てる方法(政令で定める方法を含む。)により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
と規定されています。
このように、第47条の規定と見比べてみると分かるのですが、第42条のほうでは所有権移転外リース取引による取得資産は除かれる旨の規定はされていませんよね。
従って、所有権移転外リース取引により取得した車輌についてエコカー補助金が出た場合、当該車輌については圧縮記帳ができる、ということになるわけです。
一口に《圧縮記帳》と言っても、所有権移転外リース取引により取得資産については適用できる規定と出来ない規定がある、ということなんですね。
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