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_ 電車の中の一コマ。
_ 車内放送が流れ電車が止まったとき、私の隣に座って寝ていたオネーチャンが、ガバッと跳ね起き、そして、扉のほうへ急いでいきました。しかしそのオネーチャン、降りる直前で立ち止まると、辺りをキョロキョロと見渡しただけで結局電車を降りることはなく、扉の手前で佇んでいたのです。
_ ・・・寝ぼけちゃったんだね、おねーちゃん。
_ ・・・降りる駅と勘違いしちゃったんだね、おねーちゃん。
_ 年頃の若い娘にとって、このような出来事は相当恥ずかしかったに違いありません。周りの座席はいくつも空いていたのに、どこにも戻って座ることなく、ずっと扉の前で俯いていたことが、それを物語っていました。
_ 公衆の面前でこのような醜態を晒してしまっては、おめおめと最初にいた席に戻って座る事など、彼女には出来なかったのでしょう。彼女の背中を見ていて、『ああ、周りの人たちはきっと、わたしのことを見て“あの女、ダセェなぁ。あんなマヌケな女みたことねぇよ。アハッアハッ!”って思ってるんだ・・・』という自己嫌悪に陥っている様子が手に取るようにわかりました。
_ しかし、果たして本当にそうなのでしょうか?彼女が思っているように、周りの連中は彼女のことを蔑んだ目で見ていたのでしょうか?
_ 否、それはあり得ません。
_ たとえば、電車の中でウトウトしていて、つい、ビクンッ!となってしまったり、若しくは、「遊び人の金さんだとぉ?誰だそいつぁ!?そんなヤツがいるなら、ここに連れてきて欲しいもんだなぁ!!」と啖呵を切ったら、実は目の前の御奉行様が《金さん》だった、ということなど、良くあることではないですか。それのに、そんな彼女のことを誰が責められましょう。
_ 《本人からすると物凄く恥ずかしく感じるが、実は周りの連中は何も思っていなかった》というようなことは、誰もがその人生の中で一度は経験していることなのです。従って今回の件も、オネーチャン本人が思っているほど周りの人間は、気になどしていないのではないでしょうか。
_ だから、そんなに恥ずかしがることはないんだよ?
_ と、ニタニタしながらそのオネーチャンを眺めていたら、彼女は私を見るや否や引きつった表情をし、次の駅で逃げるように電車を降りて行ってしまいました。
_ なぜ、あのような表情をしながら足早に降りていったのでしょう?やはり、寝ぼけてしまったことが相当恥ずかしかったのですかね??
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