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2012-12-04
旅の楽しみ方
電車に乗っていたとき、隣に座っていた若者3人組が旅行の予定についてお話をしていました。見た感じは大学生。きっと、冬休みか春休みにでも旅行に行くのでしょう。
旅行といえば、私も4~5年くらい前までは学生時代の仲間と毎年、夏に旅行へ出かけていましたが、目的地は決めずに《行く方向》だけ決めて、後は風まかせ、という旅行をしたことも何度かありましたね。
旅先に一体ナニがあるのか行ってみなければわからない、というものでしたが、不思議と《ハズレ》だった旅行はなく、我々の《行き当たりばったり力》の高さを楽しんだものです。そんなことを、彼らの話を聞いていて思い出しました。
───そう、あの日は、強敵(とも)である吉山(仮名)と共に「今回は、とりあえず西の方へ行ってみよう」ということで、午前1時過ぎに我が家で合流。我らの旅の出発は、真夜中が基本。
夏場で蒸し暑かったこともあり、まずはアイスクリームを食べて一服。
そんなことをしていたら、結局、我が家を出発したのがあんなことこんなこといっぱいある時間帯である午前2時。丑三つ時。
この《午前2時出発》が、この旅に重要な影響を与えることになろうとは、この時、誰も知る由は無かった。
さて、旅にBGMは欠かせないモノ。
かの有名な水戸光圀公も
「我が旅の成功、BGM無しには語れず」
(民明書房刊『黄門うっかり日本一周』)
と語っていたとも伝えられている。ウソだけど。
旅の第一曲目となれば、その重要さは、言うまでもない。
私は、吉山から
「気合いが入る曲を頼む」
とリクエストされたので、我らが母校である大学の校歌を、カーステレオで流したのである。
おかげで我々は気が奮い立ったと同時に、この旅の成功を確信した。
この時点で、とりあえず伊豆方面に行くことは決まっていたが、具体的なことは何も決まっていなかった。
というよりも、敢えて決めなかった、というのが正しい。
それが、我々の旅の流儀なのだ。
面白い場所の匂いを感じたら、そこで遊ぶ、そんな旅。
行き当たりばったりじゃないか、と思われるかもしれないが、これが不思議とハズれたことがない。
というのも、それは《面白そうな場所を探す》のが面白いからであり、そして《面白そうと思ったところ》で遊ぶから、実際、面白いのである。
初めからガイドブックを見て「ここにしよう」と場所を決めても、そこが満足できる場所とは、限らない。
というワケで、そのときは穴場といわれている西伊豆へ行くことに決定。
我々の旅は出来るだけ高速道路を使わない。なぜなら、一般道のほうが途中で《面白いモノ》を見つけられる可能性が高いからだ。
八王子から津久井、宮ヶ瀬といった数々の心霊スポットを通って伊勢原に出る。そのまま大磯方面へ向かい、国道1号に入って小田原、箱根へと到着。
その昔、箱根越えの難所は極楽と地獄の境目と言われるほどの険しさで、多くの旅人の命を奪ってきた。
そんな箱根の山道を吉山のEKワゴンでを越えることになったのだが、軽自動車での箱根越えは、やはりラクではなかった。
ところで、箱根は、大学3年生のときにゼミの合宿でやってきたことがあったので、見覚えのある景色だった。
吉山とはゼミが同じだった為、ゼミ合宿の話で盛り上がる。
当時、大学のセミナーハウスに宿泊したのだが、そのとき《覗き事件》が発生したのだ。
その日に泊まっていたのは我らがゼミの《男5人》と《女の子2人》の7人組。そして《どこかの学部の知らない教授》であったため、我々に疑いの目がかけられた。
女の子達は
「白い服が見えた」
などと言って、最初、我々を疑っていたのだが、誰も覗いてなんかいないし、そもそも、誰も白い服なんて着ていなかった。
寮長にも呼び出しをされて、
「お前らがやったんだろ」
なんて口調で言われてムカついたのだが、ふと、その寮長の姿を見ると、それがまさに《白い服》。『お前が犯人だろ!』とツッコみたくなり更にムカついた。
そして寮長が
「覗き場所として使ったところの扉に指紋が残っているだろうから警察を呼ぼうか」
とか何とか言い出したので、逆にそうであれば我々の疑いも晴れると思い
「望むところ。ぜひ呼んで欲しい。」
と言ったのだが、結局、寮長は警察を呼ばずグダグダのまま、ウヤムヤになってしまい、何となくゼミの女性陣と男性陣の雰囲気が悪くなってしまった。
ところが最終的には、すったもんだをした挙げ句、男の一人と女の子の一人とが付き合うことになっちゃったりしてゼミの雰囲気も収まるという、とてもワケがわからないことになったのである。
そんなバカな思い出話をしながら、箱根の山を乗り越えて、いよいよ、伊豆地方へ入っていった。
朝日が昇り始めた頃、西伊豆近辺に突入した我々は、方位磁石を使いながら更に西へ西へと、ひたすら走って行ったのだった。
(つづく)
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