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2012-12-05
旅の楽しみ方2
(前回の続き)
というわけで、西を目指して走り続けた結果、我々は沼津に辿り着いたのである。
ところが、ここで一つ困ったことが起きた。肝心の海水浴場が見つからないのだ。
いくら《行き当たりばったり》とはいえ、夏に伊豆へ来て海に浸からないというのは、レストランへ食事をしにきたのに何故か皿洗いだけさせられて帰るようなもの。
意地でも海水浴場は見つけなければなるまいと、泳げそうな場所を探すことになった。
右側に駿河湾を臨みながら、今度は海岸線沿いをひたすら走り続ける。
そんな折、突然、かなりの強い雨が降り出した。
普通ならここで、今後の天気を心配するのだろうが、当時から《最強の晴れ男組》と言われていた我々である。そんなことは、全く気にしない。
今のようにスマートフォンなどない時代だ。この近辺の天気がどうなっているのか確認する術は無かったが、
「この雨、絶対にやむよな。」
「当たり前だろう。俺たちの旅だぜ?」
確固たる自信のもと、構わず突き進んでいく。
するとどうだろう、更に雨が激しさを増してきたのだ。
普通ならここで、いよいよ今後の天気を心配するのだろうが、当時から《最強の晴れ男組》と言われていた我々である。そんなことは、それほど気にしない。
「こ、この雨、絶対にやむよな。」
「あ、当たり前だろう。お、俺たちの旅だぜ?」
我々の自信を挫こうとするのか、大粒の雨が、フロントガラスに容赦なく叩き付けられてくる。
バチバチと激しい雨音が、カーステレオから流れてくるBGMをもかき消すくらいだ。
普通ならここで、いい加減、今後の天気を心配するのだろうが、当時から《最強の晴れ男組》と言われていた我々である。そんなことは、ちょっとだけ心配になってきた。
「雨、強いね・・・。」
「うん・・・。」
そんなこんなで西伊豆の海岸沿いを走り始めてから30分~40分が経過した頃、道端に、小さな海水浴場の看板が。ついに見つけたのだ。
《駐車場》と書かれた看板の指示に従って脇道に入り、少しだけすすむと、駐車場の門前で数台の車が既に順番待ちをしていた。
どうやら、駐車場はまだ開いていないらしい。仕方が無いので最後尾に付ける。
まずはともあれ、、ここがどういった海なのか確認せねばならぬ、ということで、私が斥候として派遣された。
海の様子を確認すると、水がとても透明で綺麗であったためテンションが上がった私は、スタコラサッサと車に戻り、それを吉山に伝える。
「おい、これを見てみろよ。水の透明感がハンパじゃねぇ。上から覗いても海底がそのまま見えるんだよ!」
私からの報告を聞いた吉山は、ニヤリと不敵な笑みを浮かべ、そして、満足そうに頷いた。
「ここでいいな」
そう決めた我々二人。駐車場が開くまで、待つこととなった。
このときの時間が、ちょうど朝の7時。
朝食を摂り、スポーツ新聞、週刊プロレスを読みながら、知的に朝のひとときを過ごす。
7時半になり、ようやく海水浴場の駐車場が開門。
窓を全開にし、大音量で軍歌を流しながら意気揚々と会場入りだ。
海の男の艦隊勤務っ!月月火水木金金ー!!
このころには雨も上がり、うっすらと太陽の光も出てきた。
やはり我々は、晴れ男だったのである。
(つづく)
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